とむらい

学内の居住区に家族と住む、図書館職員の男性が
昨日の朝、急に亡くなったらしい。普段からお酒を飲む
習慣があったらしく、亡くなる前も大量に飲んでいたそうなので
それが原因だという話だけど、ほんとのところは不明。
今日はお葬式でした。


学校は授業は行われず、教室内で数時間自習させられた後、
いつもより早めに終わり、終わった頃、住居前でお別れのお祈りが
粛々と執り行われていたので、お隣のお嫁さんに誘われ
柵越しに一緒に眺めていた。
周りに住む住人や寮の学生も、学外からの人々も
男も女も子供もみんなみんな普段着のまま、立ったり、
しゃがんだり、土管の上に上がって眺めたり、
思い思いの格好で、静かに儀式を見守っていた。
亡くなった本人と直接面識のないような人も、
みんな一様に見守っている、
その、他人の死に対して無関心じゃないところが
私の心に大きな安堵感とぬくもりを与え
忘れかけていた何かを思い起こさせた。


私とお隣のお嫁さんは少し遠巻きに眺めていたので
遺体に何がされているのかよく見えず
お嫁さんにいちいち今頃どんなことがなされてるのかと尋ねながら
何かされているらしきところを見守っていると
そのうちにお清めの煙が立ち昇り、やがて布でくるまれた遺体は
車に乗せられて、ワルダー内を流れる川縁にある
火葬場へ出発した。


学内はちょっとしたコミュニティー
その中のひとりとして、緩やかで人間味に溢れる現地の人々に囲まれ
受け入れられながら1年を過ごすことができることを、
今更ながら幸福に思う。