お世話になった人

じつは、ここの学校の入学許可を取るまで、結構手間取ってやきもき
させられた。
というのも、入学許可証が発行されないと留学ビザが取れず、
留学ビザが取れないと出国日が決められないので航空券の予約が
できない、というわけで、許可証が出ない限り、その後の
手続きがまるまるストップするんであった。


恩師の推薦状を付けて入学願書(便箋に手書き)を出したのだけども、
手紙が着いてないという可能性もあるので電話で問い合わせようと
いうことになったのだけども、その電話番号が、古いのか何なのか
通じなかった。


うちの学校はホームページも持っていないので、やむをえず、
ワルダーの観光案内のページを作ってらっしゃる方にメールをして、
学校の連絡先を教えてもらった。親切にもすぐに確認して返信して
くださった。


そういう経緯を経てようやく学校と連絡が取れ、私の送付した書類も
ちゃんと届いていることがわかり、理由は何であれ、放置されていた
らしいことも発覚し、至急FAXしてもらえるよう依頼した。
恩師からは2月末に届くと言われていた書類は、
4月上旬にFAXの形で手元に届いた。


その、学校の電話番号を調べて教えてくださった方に
今日会いに行った。
彼が電話番号を確認してくれなかったら、あの後一体どうなって
いたんだろう?
3月半ばで職場を離れていたので、ひょっとしたら
ゴールデンウィーク辺りまで手持ち無沙汰のまま
日本で待ちぼうけを食らっていたかもしれない。
なので、彼には、実はもっと早く、ワルダーに着くなり
挨拶に行くべきだったのかもしれないけども、
ワルダーの右も左もわからない、ヒンディーもろくに喋れない、
聞き取れないでちょっと行くのが躊躇われ、
もとより「観光案内」という一つの団体に問い合わせたわけで、
個人的に挨拶しなくてもいいんじゃないかと考えると、
特に訪ねて行かなくてもいいような気もした。
だって日本的に考えれば、たとえば「市の観光課の○○さんに
ある施設の電話番号を伺って大いに助かった」からと言って、
その人に会いに行ったりしないだろう。


…なので、それっきり、実はいつも頭の片隅で気になってはいつつも、
置き去りにしていたのだけども、今もって考えると、インドなら
訪ねるのは全然アリなので、訪ねてみようという気になった。
お礼に伺いたいのでとメールで住所を尋ねると、すぐに返信があった。


途中で手土産にパパイヤを買い求め、道を尋ねながら行った。
あるリキシャの運転手は酒臭くて、言ってることが意味をなして無かった。
ある旦那は住所を見て簡単な地図を描いてくれ、
近くでまた人に聞くといいだろうと教えてくれた。
それを頼りに、ある程度近くまで行ってまた道を尋ねたら、
親切な店の旦那が近所の子を案内役に付けてくれて、程なく辿り着けた。


彼の職場は自宅兼だった。
うちから自転車で15分もかからないような場所で、
アポなしで行ったのだけども、ちょうど玄関先で赤ちゃんを抱っこして
いらっしゃる男性がいた。名前を伺うとご本人だった。


今頃伺って大変恐縮したのだけども、口数の少ない、温厚そうな人だった。
ちゃんとお礼が言えてすっきりした。