シヴァジー生誕日

今日は祝日、この地方の昔の偉大な王、
チャトラパティ・シヴァジーの生誕日。
そのため、昼間からずっとドンドンという太鼓の激しい音が
遠くから風に運ばれて聞こえていた。
気になっていたけど、外は陽射しが強いし、
部屋で勉強したい気分だったので、ずっと閉じこもっていたのだけど、
夕方になって停電になったので、やっと外出する気になった。


音の聞こえるほうへと自転車で走ると、果たして町の路地で、
これから何かが始まるという雰囲気がバシバシと伝わってくる
人々の群れに遭遇。
自転車を脇に止める間もなく、後方で爆竹がはじけ出した。
パレードが始まる合図。
カメラ持ってくればよかったなーと思いながら、
自転車止めてぼんやり眺めていると、先ほどから私の傍に立っていた
初老の男性が、もうちょっと前に出て見なさい、みたいな感じのことを
マラティー語で言ってきて、さらに私の視界を遮るすぐ目の前の
オーディエンスを突っついて何やら言うと、彼らが少し動いたので視界が開けた。
おー、見えるようになった、と思っていると、さらにその初老の男性が、
もっと前に出ていいから、とばかりに私を後ろから押す。
言葉が通じないのを苦にもせず、外国人に対して臆面もなくどこまでも
面倒見がいいインド人は、ある意味、とても人間らしいと思う。
日本人的発想にありがちな、言葉が通じないとか、常識的には、とか、
世間体がどうのこうのとかいう何だか煩わしい前段階が無くて、
こうしたら相手にとっていいだろうと思ったからそれを実行したまでのこと、
そんな感じで、さらりと親切なのがインド人的発想かな。


普段はふくらはぎなど見せない若い娘たちが25人程度、サリーの裾を
股下でズボン状になるように短くたくし上げ、髪などきれいにまとめ上げ、
手に打楽器を皆持って待ち構えていた。前に立った、指揮を取る男性の合図で
一斉に踊りが始まった。音楽はない。楽器を打ち鳴らしながら、
軽やかにステップを踏み、はっとするほどきれいに舞う。踊りは10分程度続いた。
きっとマハラシュトラのこの地方の民族舞踊。


それがパレードの先頭で、続いて大きな太鼓をお腹の前に提げて激しく
打ち鳴らす男たちの集団、それに付随する踊り狂って祭りを盛り上げる
踊り大好き集団、彼らは飛び入りなのか、最初から踊り手として参加
している人たちなのか、いまいち区別がつかないけど、そんなことは
どうでもいいのかもしれない。吉祥のピンクの粉が振りまかれて宙を舞う。


その集団の後を、立派な装飾付きの馬にまたがったシヴァジーに扮した男性が
進み、その後を王家の人々を表すのか、大型トラックの荷台に、
劇の登場人物のような衣装のちびっ子たちが、ある場面を再現していていた。
そのトラックの後を、タバコとアルコールが有害であることを警告する
キャンペーンのフラッグと「有害」を具現化した姿をした男性と、
中毒者役の男性がゆっくり進み、
その後ろを、また立派な馬に乗ったお姫様役の女性、
その後を、恵まれない子供たちがどうのこうのという内容のキャンペーンの
山車が進み(語彙不足で説明文が理解できなかった、悔しい。。)
どうやらそこがパレードの最後らしかった。


パレードに付いて行く人もいれば、三々五々散って行く人々も。
私もしばらく自転車を押しながら付いて行ったけど、
帰り道に差し掛かったのでそこで帰宅。