マドゥライ 3日目

夜中、寝ていると顔に霧雨を感じ、目が覚めた。
「雨漏り?」と思ったけどそうではなく、
高い位置に開けられた明り取りの小窓から
霧雨が斜めに吹き込んでいたのだった。


小窓を閉める扉もないので、雨が降りかからない位置に
体の向きを変えて再び眠った。


朝起きると雨は上がっていて、道路が濡れていた。
そういえば、昨日の朝も雨上がりだった。


午前中、17世紀にこの地方を治めていた王が建てた
王宮を見に。
2km弱の距離なので、町の風景を見ながら徒歩で向かった。
ヒンドゥー寺院がいくつもあり、どれもドラヴィダ様式、
色とりどりの神様の像が、建物の表面を埋め尽くすように
据え付けてある。沖縄のシーザーに似た、目がぐるぐるとして
大口を開けた空想の生き物みたいなのもいる。
南だから沖縄にも通じてもいいような気もする。


賑やかで猥雑なマーケットの通りを過ぎ、
朝食にチャイとドーナツのようなお菓子を食べ
また歩いた。思っていたより、なんか遠い。


途中、何度か道を尋ねてやっと着いた。
入場料50ルピー。高い。
マイソールで見た王宮と同じインド・サラセン様式(ヒンドゥー
イスラムの建築様式のミクスチャー)だけど
大部分が破壊されたとかで、外部から見た感じ迫力に欠ける。
入場料を払うだけの価値があるか迷い、
門扉からチラリとだけ中を覗かせてもらい、
やはり見るのやめた。


次の目的地、ポンディチェリーへ行く手段を確認するため
リキシャーを拾って駅に向かった。
しかし駅構内に設けられた政府のツーリストインフォメーションは
どういうわけか開いておらず、向かいのプライベートの
旅行代理店に尋ねても、予約することによってマージンを取れる
夜行のエクスプレスの情報しか、くれない。
私は昼間移動したいのだ。


ガイドブックを見ると、駅の外にも少し歩いた場所に
政府のツーリストインフォメーションがあるらしいので
そこへ行った。思いのほかすぐに欲しい情報が得られた。
ポンディチェリーに直行するバスはないけど
ヴィルプラムというところで乗り換えれば
そこから1時間で着くらしい。