コーチン 2日目

昼前くらいまで部屋でこの2、3日の抜けた日記など入力、
でも携帯電話、リチャージしていないため、インターネットには
接続できず。


その後、財布とガイドブックを手に部屋を出た。
ロッジ周りの繁華な通りで昨日見た安食堂に行きたくて
うろうろしていたけど、行き方を失念してしまい
軽く道に迷ってしまった。
ふいにまたふわりとココナッツオイルのいい香り。
においに誘われてお店に辿り着くと
そこではバナナチップをココナッツオイルで
揚げているところだった。1枚もらって食べたら、
日本では食べたことのない薄塩味のバナナチップだった。
100g、9ルピー購入。


行きたかった食堂は見つからなかったけど
同じようなノンベジのお店があったのでそこに入った。
壁に描かれたメニューをざっと見ると
ビリヤニ”というのが目に入ったので、ここはムスリムの店だなーと
思って入った。
ミールスと呼ばれる定食を注文。
ミールスとは主食のライスやチャパティーのほかに
野菜の香味炒めや豆のスープや付け合せが盛られたもの。


定食を注文して待っている間、さっきちらっと見た壁のメニューを
またなんとなく見ると、ここはビーフフライとか牛肉のメニューもある。
へーと思った。
そのとき、座っていた壁際の席から、私の左斜め上あたりに、
神棚らしきものがあることに気が付いた。
ちょっと“あれ?”と思った。
ひょっとして…と思って、その神棚の上のものがとても気になった。
でも露骨に立ち上がって見れない。
店内を見ると、1人のおっさんの額に、
うっすらとヒンドゥーの吉祥のしるしが見えるような見えないような。


ミールスが運ばれてきて、メインにフィッシュ・カレーを頼み、
よくわからないけど揚げた魚の切り身も出されたので食べた。
素朴に美味しい。マハラシュトラほど辛くなくて
炒め物、汁物、付け合せ、どれもココナッツミルクやオイルの香りがした。
ここらの人はココナッツをよく使う。
不意にムスリムの昼のお祈りの合図の音声が聞こえ始めた。
かなり近くにマスジッドがあるらしい。


なんか複雑な気持ちで定食を食べ終え、立ち上がり、手を洗って
席に戻るとき、やっと自然にそこを見ることができた。
やはり、ヒンドゥーの神様の絵が掲げられて、花の飾りがしてあった。


なんでヒンドゥーと牛肉料理が混在しているのか、
よくわからない。
妥協点?不思議だ。


その後、人に道を聞いてバス停に行き、
エルナクラムの大きな駅、エルナクラム・ジャンクション駅へ。
駅の案内所で、次の目的地、カニャークマリへダイレクトに行く
列車について尋ねたら、エルナクラムの北にある駅から
17時20分発のがあるそう。
時計を見ると13時過ぎ。
17時20分の列車に乗るとすると、この後忙しくなるので
列車はやめて、バスで移動することに決めた。


駅から近い船着場、メイン・ジェッティー(ジェッティーとは
船着場)に移動し、コーチンの半島部のマッタンチェリー地区へ。
そこでかつてのコーチン藩王の邸宅「マッタンチェリー・パレス」と、
インドではめずらしいユダヤ教の教会堂シナゴーグを見た。


「マッタンチェリー・パレス」は現在では博物館として公開されていて
室内にはヒンドゥー教の古典から引用されたストーリーの一部の絵が
壁一面に描かれていて、そのタッチはポルトガル支配による影響か
今まで見たインドの画法と異なった印象を受けた。


辺りは国内外の観光客がとても多く、それらに期待する土産物売りや
オリエンタルな骨董品の店がたくさんあった。


また船に乗ってメイン・ジェッティーに戻り、そこから
エルナクラムの長距離バス発着ターミナルへオートで移動。
カニャークマリに行きたいと言うと、今日は19時がラストと言う。
時計を見ると18時を回っていた。
あと1時間しかないけど急げばいけそう。
急いでオートでロッジに戻り、シャワーを浴びて荷物をまとめて
チェックアウト。
オートを拾って先のバスターミナルに戻ると
すでにカニャークマリ行きのバスが待機していてすぐに乗車。
しばらくして、バスはゆっくりと発車した。