マイソール藩の宮殿

一旦部屋に戻り、香油を置いてまた外出。
王宮に直行。入場料20ルピー。50円相当。
さすがに南インドでもっとも豪華と言われている宮殿だけあって
凄いの一言。
イスラムヒンドゥーの建築様式が組み合わされ、
さらにヨーロッパの影響も受けていた。
特に私が気に入った広間、抑え目なターコイズブルーと金色の
装飾的な壁と天井のデザインを見越して、
そのまま前庭に向かって贅沢に開放されている。つまりオープンエア。
前庭の景色を切り取る支柱の美しいデザイン。
どこも天井が十分に高くて、趣味のいい彫刻とデザインで
隈なく埋められていた。
今まで見たどの王宮とも比較にならない。
南インドに行ったら、これは見納めておくべき。
見てよかった。


敷地内にはいくつものヒンドゥー寺院も造られていた。
装飾のデザインが独特で、精緻を極めている。
繊細でバランスのいい彫刻作品が惜しげもなく無数に外部にはめ込まれて、
その建物自体がもはやひとつの巨大な彫刻作品となっていた。
それでいて出過ぎた感じがしない。
いくつもヒンドゥー寺院を見たけど、私はここの寺院が一番好きだ。


観光客も国内外からたくさん訪れていて、団体客が塊になって
宮殿内の順路をゆっくり辿っていた。


市内には、この王宮を中心に古い建築物がいくつもあり、
現在では博物館や他の目的で使われていたりする。
街の景観がとても美しいのは、当時の支配者のセンスのよさを窺わせる。
デカン高原ではめずらしく遠景に緑の生い茂る山も見える。
こんな美しい古都に暮らす住民たちは幸せだと思う。


かつて栄華を誇っていたマイソール藩は1799年ギリス軍に敗れて
衰退してしまい、今では小さな観光小都市として栄えている。