ゴア 3日目

目が覚めて朝、歯磨きしながら1階のテラスに出た。
テラスから朝の海が見える。
ユースの敷地内にはバスケットコートがあり、
宿泊中の男子学生グループが朝から元気にバスケをしていた。
彼らは南インドケララ地方から来ている大学生で、
何学部か聞き忘れたけど、結構金持ちの家の子のようで
インドでは見かけない歯列矯正している子もいた。


ユースには犬がいた。4匹くらいいて、そのうち2匹は
まだ子供、朝見ると、花壇の窪みに2匹仲良く丸くなって寝ていて
思わず突っつくと1匹は飛び起きたけど、もう1匹はいつまでも眠っていた。


8時にユースをチェックアウト、バスを乗り継いで
カラングートビーチのゲストハウスに移動。
ロマルド・ゲストハウス。ロマルドさん一家が営んでいる。
値段のわりに小ぎれいで居心地がよく、
周りは民家でビーチまで徒歩2、3分。
私の部屋からは、隣の民家でちょっと見え隠れする程度だけど、海が望めた。


部屋でガイドブックや時刻表を眺めて、
次の目的地などを検討しているうちにお昼になり
ゲストハウスのレストランで魚料理を注文。
ココナッツが利いていて、スパイスも控えめの
魚の切り身が入ったカレーとライス、
そして15センチくらいの長さの魚を
三枚卸の要領で切り込みを入れて、そこに甘めのスパイスペーストを
挟んで焼いたもの。150ルピー。


ランチを食べ終え午睡し、過去の抜けた日付の日記を
書かねばなーと思ってごろごろしていると停電になった。
ファンが止まって暑いので、読みかけの本を持ってビーチへ。
ビーチには寝そべるための椅子にマットが敷かれて
たくさん並べられていた。
欧米人がたくさん、インド人も、少ないけど家族連れなどで来ている。
ビーチの雰囲気を知りたくて、寄せる波の上を南方向に向かって歩いた。
500メートルくらい歩いて、また逆方向に戻り、
たっくさんある寝椅子の1つに寝て本を読んでいるうちに
打ち寄せる波の音とそよ風の気持ちよさに寝たくなり、うとうとしていると、
その寝椅子を提供・管理しているらしいインド人女性が
チャージを取りに来た。50ルピーだった。


転がったまま本を読んでいると、赤ちゃんがやってきた。白人の女の子。
抱き上げて傍に座らせると、熱心に私の本をめくり出し
私がぼんやりして海を見ているうちに、ページを破り始めたので
本を取り上げようとしたら、大きな声で反発するので
その声を聞いて、私のすこし前に座っていた、
大人4、5人とゴールデンレトリバー犬と大型犬の雑種、
というメンバーのうちの男性がやってきて
“Sorry.”と言って赤ちゃんを抱きかかえて行った。


本を読んで過ごしているうちに、日没の時刻になり
昨日と同じような、とってかぶりつきたくなるような美しい夕日。
そこへリュックに売り物のアクセサリーをぎゅんぎゅんに詰めた
アクセサリー売りの青年がやって来た。
衝動買いするほどの物欲と経済的余裕はないけど
ずっと、耳の軟骨に開けたピアスホールのを買い換えたいと
なんとなく思っていた上に、昨日そのキャッチャーを紛失してしまった。
でも買い換えるにしても、ちょっと特殊な上に、なかなか思うような
デザインに出会わず今に至るので、相談したらオーダーメイドで
応じてくれると言う。
この際だから作ろうかと思う。
などと青年と話し込んでいるうちに、気が付くと
夕日はすっかり沈んで姿を消していた。
青年が彼の従兄弟が経営しているというお店に案内してくれた。
ゴールドで作っても1000ルピー、2500円相当だと言う。
いよいよ本気で作ろうかと思い始めた。
明日値段がわかるらしい。