ゴア初日

太陽がクリアに射しているので、日中は暑い部屋でファンを回して
ひさびさにネットに接続して日記書いたり、うたた寝したりし、
夕刻になって外出。


なんと言っても、ゴアはかつてヒッピーの巣窟だったビーチだ。
今は当時ほどではないにしろ、それでも欧米人がうようよいるはずだと思い、
今まではまかり通っていた、私のなんともイモくさい格好も
ここではもはや通用しまい、と自分なりに考えるに至った。
しかもちょっと小じゃれた日本人の若者だっているかもしれない、
こんな、日本じゃ絶対しないようなダっサい格好は
さすがに痛いだろうと思い、
いかにも観光旅行者です、な、今までいつでもがっつり身に着けていた
グレゴリーのウェストバッグを部屋に置いていくことにし、
そのかわり財布をポケットにねじ込んで、帽子を目深にかぶった上、
ビーチサンダルをつっかけて外出。これなら、ま、よかろう。


手元のガイドブックの地図では、今いる場所が確認できず
とりあえず大通りへ出てビーチ行きのバスに乗った。
ビーチ行きに乗ったつもりだったんだけど、うっかりバスターミナルで降車。
ゴアとはさぞかし外国人旅行者が多いのだろうなーと思ってたのに、
バスターミナル周りの売店やパン屋さんなどにいるのはインド人ばかりだった。
なんか、話が違うな。


ジューススタンドでバナナスムージーを飲んだり、洋菓子を買ったりして
行くあてもなくうろうろしているうちに、履いていたビーサンの緒が
切れてしまった。


片足のサンダルを引きずるようにしてサンダル屋を探して歩いていると、
気が付いた現地のおっさんが親切にも声を掛けてくれた。
――切れたのか、そうか、新しいのを買ってもいいし、修理屋もあるけど
どうする?
というので、新しいのを見たいと言うと、すぐ傍のキオスクみたいな小さな店を
案内してくれ、店の主人に言って出させてくれたので、試し履きしてそれを買った。
おっさんはそれを見届けると、さっさとどこかへ行ってしまった。
インド人は基本的に面倒見がいいのだ。
そして「ありがとう」を言う習慣がないので、一般に相手から感謝の気持ちを聞く
という心積もりがない。インドで「ありがとう」の安売りは歓迎されない。


その後、最寄りのビーチへ行くバスに乗って、ミラマル・ビーチへ。
最近のインドは6時半にもなるともう真っ暗で、
海へと流れる川にクルーザーのきらめく電飾が反射してとてもいい雰囲気。
でもインド的ながちゃがちゃした感じがなく、むしろシックな感じがするのは
ここがかつてポルトガル領だった史実に繋がるような気がする。


ミラマル・ビーチで降車、レストランカフェなどの並ぶ通りから
すぐにビーチに出ることができた。
私はビーチ脇にあるようなゲストハウスを探しているんだけど
その辺りにはなさそうだった。
ビーチにはやはりインド人の家族連れ、おそらく家族旅行で来たんであろう、
あちこちで夕涼みをしている模様が見られた。
ライトで照らされた夜のビーチをしばらく散策し、またバスの通りへ戻って
しばらく歩くと、何件かホテルがあったけど
どこもそれなりに宿泊料金が高かった。
さらに歩くとさっきバスから見えたユースホステルがあった。
ドミトリーなら空いているそう。
明日また来ますと行って帰途についた。