ハンピ 2日目

朝起きて、散歩をしたくなり、宿から出て
どの角度から見ても美しい「ヴィルパークシャ寺院」を見て
寺院を背に真っ直ぐ通りを歩いた。チャイを飲もうかと
思っていたのだけど、なぜかわからないけど見当たらない。
そのうち、頭にかごを載せたおばあさんが、地元の人に
何か売っているのを見つけ、何かと思ったらイドゥリという
(たぶん)米の粉の生地を蒸し上げた、南インド産の軽食
だった。それを2切れ買ってさらに突き当たりまで歩くと
石段の上に野ざらしの遺跡群がいくつも建っていた。


イドゥリを買った辺りから、1匹の白いようなベージュのような
野良犬がついてきた。廃墟化した遺跡に腰掛け、軽食を食べた。
白犬が見ていたのですこしだけちぎって投げてやると、
食べるのかと思ったら食べなかった。
食べ終わって石段を上がってみようという気になった。
上に上がるとヒンドゥーの牛、ナンディーの像があり
そこからまた別の遺跡が見えた。
先の白犬が私の歩く先を小走りに行くので、案内してもらうことに。


遺跡群は、崩れ落ちたもの、形を留めているものと
さまざまで数がとても多い。遠景に目をやると
小高い丘の上にも遺跡が建っている。
石段を白犬と一緒に上がったり下りたりして、
やがて神殿のような造りの建物が広場を囲んだような遺跡に出た。
ガイドブックで後で確認したら、「東の遺跡群」とだけ
記されていた。
まだ朝が早く観光客は誰もいない。
遺跡の内部をぼんやり見て、また先に進むと
どこからか白犬が私を見つけて、また後をつけてきた。
途中、道草を食って私よりも200メートルくらい後に
ぽつんといる白犬を、「白ちゃん」と呼び掛けてみると
また足早に追い掛けてきて、私を追い越して先に行って
しまうんであった。


さらに歩くと川が見えてきた。
人が洗濯をしているのが見える。ヒンドゥー僧のようだ。
岩場を渡って、ふと振り返ると、白犬は
さっき通った川縁の砂場で、何か新たな興味を発見したらしく
いつまでたっても砂場をかけったりにおいをかいでみたりしていた。


川を、一寸法師のお椀のような渡し舟で向こう岸に渡った。
向こう岸には、牧歌的な村が広がっていた。
村の中に、こんなところにも楽園をイメージしたような
しゃれたロッジがいくつも存在していた。
しばらく歩いてバスにのり、もと来たほうにすこし戻った。


宿に戻ろうと、目の前にある1本道を歩いていると
小さな寺院があった。
木陰に座って、すこしノートに書き留めたりした後、
近くの軽食屋でしし唐の天ぷらみたいなのを食べた。


すこし行くと、小さな学校があり、そこでもノートを
広げてすこし書き留めたりして過ごした。
学校の小さな工事をのんびりしている現地人の人が
ヒンディー語の会話に付き合ってくれた。
ここらはヒンディー語母語としたい州なので
たまにヒンディーを知らない人も出てくる。


また、大きな岩の上で、お婆さんが3人の孫をあやしながら
ラジオに乾電池を入れていた。
そこですこし休ませてもらうことに。
ラジオは接触が悪いらしく、電池を入れた時点では
電源が入るのだけども、ふたをして立てた途端に
音が切れるのであった。
お婆さんからラジオを受け取って、いじっているうちに
無事に音楽を放つようになった。


2時間くらいそこに座って、そろそろ立とうかという頃
遺跡めぐりをしているインド人家族がさっき来たほうから
やって来たので、同行させてもらうことに。


歩くと川にまた出た。今度はモーター付きのボートであった。
ボートは、昨日、「ヴィルパークシャ寺院」を見たときに
裏手からみた川のところに行き着いた。


部屋にいったん戻ったけど、ガイドブックを見たら
今日結構見てまわったと思ってたけど、ハンピは
案外見るところがたくさんあって、私が見たのは
ほんのほんのわずかだったので、今日のうちに
もう少し見ておこうという気になり、また外に出た。


そしてオートをやとって、ガイドブックに載っている
主要な遺跡をざっと周ってもらった。
世界ふしぎ発見!」で前に見たことのある寺院があった。


今日はこの地方の「ダシャーラー」(インドの3大祭りの1つ)
だそうで、夜、なんと古代遺跡の中で行われた、
このハンピの歴史の演劇を観ることができた。