夕刻のおっさん

先週お尋ねしたワルダー内の日本寺に、朝からまた遊びに。
借りてた日本の書籍を返して、また別のを。
『セブンイヤーズ・イン・チベット』これちょっと読んでみたかった。
お寺の食事とお掃除を任されてる女性に、料理をまた習いました。
おかずは、茄子のココナッツ・香味煮とダール(インド式味噌汁)。
ココナッツを使ったお惣菜の作り方をどうしても知りたくって
リクエスト。野菜は前もって聞いていたのを持参。


手際がよく、メモってる間にどんどん過程が進みそうな勢いだったので
少しの間覚えといて、後で忘れないうちに書こうと思い手順を見てたんだけど
簡単そうにやってるけど、スパイスの種類とか配分とか、情報量が
私が記憶できる範囲をあっと言う間に上回り、しかもテクニックとか
一度見ただけではちょっとまねできないようなレベルだったので、
中盤から覚えるのを諦めてあーこうやって殺風景なキッチンから
豊かなメニューが生まれるんだなーとぼんやりと見守るのみになってしまった。


その後、その女性と一緒に近所の知人宅を訪ねて夕刻まで過ごし、
そのお宅のご夫妻が市場に買い物に行くというので同行、&帰宅。


学校の門で、守衛さんに「今しがたバイクに乗った人が訪ねてきたよ、
ほらまだあそこにいる」と言うので行ってみると、全然知らない男性
40歳くらいの人が。近づくと「あなたはキミコさん?」と聞かれ
そうですと答えたら、どうやらうちの学校の日本人と昔から付き合いが
あるらしく、それでまた日本人が入ってきたと耳にしたので
さっそくわざわざ訪ねてきてくださったとのこと。


ためらいつつも、部屋に案内し、とりあえず椅子に座ってもらい
話したんだけど、彼は建設業のほか農業なども営んでいる
インドではめずらしくない実業家の人で、何人もの日本人の名前を
挙げたんだけど、いずれも私は会ったことのない人で、
会ったことのない人の話に興味をもつのは難しいんだけど、彼の話に
立ったまま耳を傾けていた。
そのほか、彼は私の日本での職業や学歴やら両親の住んでいる場所、
帰国後の予定、一日のスケジュールなどを聞いて
私も何か聞き返さねばと思い、彼の家族構成やら手がけている仕事の
内容とか、日本には行ったことがあるのかとか、どこに住んでるのかとか
思い出したように尋ねてみたりして、1時間くらいかなー
知らない男性と自室で苦しい会話。しかもヒンディー語。疲れた。
しかもしかも、ジョークとかゼッタイ言わない人で硬い。


何の接点も共通点も見出せない人が、私と話して一体何のメリットが
あるんだろう、と甚だ疑問というか無意味な感じがしてならなかったのですが、
それってきっと日本人的、あるいは私の考え方なのかもしれないけど
思ったのは、インド人って、というかアノ人は、人との関係、コネクションを
すごく大事にするんじゃないかなーと。
日本人は社交性に欠けている大人が多いというのを読んだことがありますが
まさに私がそうなんですが、インド人は大家族という社会の中で子供の時分から
社交性を身に付けているので、日本人と何が違うって、私に対してのみでなはく
知らないおっさん同士、ほんとに自由闊達におしゃべりするんですね、
見てて知人同士なのかと思っていたら他人同士だった、みたいな。
しかも日本人からしたら、え、それ初対面から話しちゃうの?みたいな内容。
そういうのが、フレンドリーというか、門とか玄関とかなくって
一気にリビング、あっという間に一歩踏み込んでくる印象を受けました。


…だってさ、知らないおっさんに「あなたの一日のスケジュールは?」
とかさらりと聞かれたら、なんか複雑よ。