チェンナイ 6日目

午前中、ティルヴァンナマライでバイクのおっさんの紹介で知り合った、
チェンナイ在住というおっさんから、忘れた頃に電話があった。
そのおっさんは、私がティルヴァンナマライの次にチェンナイに
行くのだと言ったら、チェンナイに着いたら連絡しなさい、
名所を案内するから、と言っていたけど、今日電話があるまで、
頭の片隅のほうに記憶が追いやられていた。
彼はチェンナイで政府の職員、つまり公務員か、の仕事をしている
ということだったけど、何しろ“あの”おっさんの知り合いだから
あまりかかわらないほうが無難だと思った。


けど、たまたま今日は暇で、夕刻日曜の市場でも覘きに行こうと
思っていたので、おっさんの誘いに乗り、
午後からおっさんのところにちょっと行ってみる気になった。
彼は私の宿の最寄り駅から北に10kmくらいのところに住んでいると
いうことで、住所を頼りに、市電と乗り合いタクシーを乗り継いで
おっさんのお宅へ。


おっさんのお宅は、政府の職員といってもそれほど給料がいいわけでは
ないようだったけど、けどめずらしくエアコンがきちんと効いていて
インドに慣れた私にとっては必要以上に部屋が冷えていた。
お宅には奥さんと子供2人がいるようだったけど、女の子1人しか
出て来なかった。
書斎兼応接間、のような部屋でおっさんは自分の信念やら人生の
生い立ちなどの他、自分をシヴァ神と同一とみなしているような怪しいことを言い、
はっきり言って関心のないようなことを時計を見れば1時間以上喋っていて
どうにも観光案内に出発しそうになかったから、
これはインド人にありがちな、暇潰しの相手にされたなーと思い、
きりのいいところで退散することにした。
驚いたことに、おっさんは退散する私の後を追ってくるんであった。
私がジョージ・タウンという最高裁や市場のある区域へ行きたいと
言っていたので、そっちへ行くバスの番号を教えてくれた後、
バスを待つ間におっさんは一旦自宅に戻った。
ここでうまく撒ければ、と思ったけど、やって来たバスに
私が乗り込んでほっとしていたら、出発する間際におっさんが飛び乗ってきた。


終点のビーチ駅で降車、どういうわけか食堂に入り、ランチを
注文するおっさん、どこまでもマイペース。
私は来る前にランチは済ませてきた。
おっさんは結局、自分の息子をハイレベルの学校に行かせた暁に
日本に留学させたいと目論んでいるらしく、
どうやら私を日本とのコネクションにしたいようだった。
話がヘビーなので、店を出るなり私はおっさんに別れを告げ
エグモア駅方面に戻った。疲労


心身共にへこんで疲れたので、せめて美味しいものでも食べて
いい気分になれたらと思い、観光案内でもらった地図の
レストランマークを目指してバスに乗ったり、結構歩いたりしたんだけども
迷ってスラム街のようなとこに入り込んでしまったりして余計に歩き、
しかも大通りに出てからもそれらしき店が無い。
よちよち歩いていたら雨が降り出した。
南インドの一部の地域はこの時期、雨季らしい。


諦めて、日本から持ってきたガイドブックに載っている、エグモア駅
から歩いていける店に行ったら、閉まっていた。
やむをえず毎日のように彷徨っている駅前の何軒か軒を連ねるレストランを
また1軒1軒見てまわり、ゴアで食べて美味しかったエビのカレーが
食べれる店を探し、ようやく1軒の店に入った。
たぶん日本人っぽい女の子2人組が目に入ったけど、特に話すことも
ないし、心の準備ができていなかったので、話し掛けず。
出てきたエビカレーは、ココナッツのきいたルーの南インド風、
でもゴアのほど美味しくない。
チェンナイの美味しいものって、どこにあるんだろうか?