水がめ

うちには冷蔵庫がなく、そういえばインドに来てから、
こんなに暑いのに冷蔵庫を買おうと思ったことがありません。
なんでかと聞かれると、冷蔵庫が一般的ではないからです。
冷蔵庫はちょっぴり贅沢品で、わりと暮らし向きが裕福な人の家に行って
冷蔵庫があると、わ、すごいと思ってしまいます。
すでに頻出のお隣さんちも、息子さん2人を大学に入れている経済力ですが
冷蔵庫がありません。
なぜ冷蔵庫を買わないのか、という質問は、ひょっとしたら
ぶしつけになるかもしれないので、したことがありませんが、
経済的な理由の他に、もしかしたら何かあるのかも?
たとえば、停電が頻発するので冷蔵庫が役に立たないとか。


そして、その代わりというのか、飲み水を冷たくするアイデア
生活の中に根付いてます。それは水がめです。

写真は我が家のキッチンです。ちょっと見づらいですが、
右側に鎮座しているのが、飲み水用の水がめです。
赤土をこねて素焼きにしたものが、町の道端で売り出されていて
サイズは大小様々です。写真のは2〜3リットル容。
この水がめ、中に水を入れておくと、表面から少しずつ水がにじんで、
それが乾いた空気によって気化するときに熱が奪われるため、
中のお水が冷まされるんですねー。写真、よく見ると、かめに
水がしみているのがわかるでしょうか。
他の、たとえばステンレスの容器なんかに入れておくと、あっという間に
室温になってしまいます。でも、水がめに入れておけば、ほどよくひんやり。


2日に1度、家から100メートルくらいのところにある井戸に
水汲みに行きます。それは手前に見えているバケツで。
水がめも2日に1度、中を丁寧に洗って、汲みたての水に入れ替えます。


水がめは、この地域では、一般家庭、屋台など、どこでも用いられています。
都会はどうかわかりませんが…。