キャメル・サファリ(1)

午後になって、手提げバッグに必要なものを突っ込み、
集合場所に行ってみると、すでに迎えのジープが来ていた。
中には欧米人の40代くらいの女性2人組、そして
驚いたことに日本人の女の子が1人いた。
“ツアー”というのでもっと人がいるのかと思ったら、
私を入れて女性ばかりの4人。
女性ばかりのメンバーになったのはきっと偶然だと思われる。


ジープに乗って20分くらい走るとすぐに砂漠地帯に入り、
でも砂漠といっても、ここらの砂漠はところどころ
木々や雑草が生えていて、TVで見るいわゆる“砂漠”というのとは
ちょっと違っていた。
むしろ、砂漠化した草原…、といった感じ。


さらにジープは砂漠の中の道路を走り、あとどのくらい走るのかと
思ったころ停車、降りると5頭のラクダたちと、
ラクダ使いたちが待機していた。


座っているラクダに一人一人が乗せられる。
おとなしく人を乗せるラクダもいれば、
怖がっているのか、抵抗しているのか、
「ガオーガオーガオー…」と鳴くラクダも。
私のラクダはおとなしかった。



私の乗ったラクダの上から撮った写真。
写真の中のピンクや水色のストライプのバッグは私の手提げバッグ。
乗り心地はそれほど悪くない。




私の後ろを歩く同行のヨーロピアンとそのラクダ使い
私たちを乗せたラクダたちは行列になって進む。



砂漠はこんな感じ。パキスタン国境まで10キロ程度。でも治安はいいらしい。



私の乗ったラクダさんと、そのラクダ使い氏。共にお世話になりました。



遠くを行く、別のツアー。




ラクダはかわいいなー。
キャンプする場所に着いたので、ラクダは鞍を外してもらってます。
その代わり、逃げないように足を縛られているけど。



ラクダ使いの青年。ラクダ使いたちが夕飯の準備をしてくれます。
メニューは野菜カレー、ご飯、チャパティー



夕暮れ。雲が多くて、きれいな夕日は残念ながら見ることができなかったけど。


日が暮れて、空が暗くなった。
すると逆のほうの地平線上が、一部煌々と輝く場所があった。
同行の日本人の女の子と、町灯りかな?と話していたら、
ラクダ使いが、月明かりだと教えてくれた。
半信半疑だったけど、見る見るうちに
大きな丸い月が昇り始めた。
昨日が満月だったから、まだほとんどまん丸。


ラクダ使いたちが、キャンプ施設に備えられた簡易ベッドを出してきて、
星空の下、ベッドを並べて、用意された毛布にくるまり、
9時ごろにはみんな疲れてベッドに入った。
砂漠は朝晩が冷えるのだけど、それほど寒くない夜だった。
時々、ふと目を覚ますと、自分たちが寝ている真上を
月がゆっくりと移動していた。
月夜の明るい夜。
無音の音が聞こえるほど、静かな砂漠。


…でも、数頭いるラクダのいずれかが、絶えず反芻していて、
夜中目を覚ましても、「ざっく、ざっく、ざっく…」という
歯軋りのような、不思議な音が遠くでしていた。